宝島社が朝日新聞と読売絵新聞にて、樹木希林さんの最後のメッセージとして掲載した「あとは、じぶんで考えてよ。」「サヨナラ、地球さん。」という企業広告が素晴らしいと話題になっています。
「死」について改めて考え、どう生きるかを考えるきっかけになって欲しいとの願いから、樹木希林さんの『死生観、人生観、恋愛観、仕事観』について、樹木希林さんの残した言葉を基に、2つのメッセージとしてつくられたものです。
あとは、じぶんで考えてよ。
写真左から、
樹木希林(きききりん)
内田玄兎(うちだげんと):樹木希林の孫
内田雅樂(うちだうた):樹木希林の孫
内田裕也(うちだゆうや):樹木希林の夫
内田也哉子(うちだややこ):樹木希林の娘
内田伽羅(うちだきゃら):樹木希林の孫
本木雅弘(もときまさひろ):樹木希林の義理の息子
■あとは、じぶんで考えてよ。(全文)
絆というものを、あまり信用しないの。期待しすぎると、お互い苦しくなっちゃうから。
だいたい他人様から良く思われても、他人様はなんにもしてくれないし(笑)。
迷ったら、自分にとって楽なほうに、道を変えればいいんじゃないかしら。
演技をやるために役者を生きているんじゃなくて、人間をやるために生きているんです。
代表作?ないのよ。助演どころか、チョイ役チョイ役って渡り歩く、チョイ演女優なの。
自分は社会でなにができるか、と適性をさぐる謙虚さが、女性を綺麗にしていくと思います。
楽しむのではなくて、面白がることよ。中に入って面白がるの。面白がらなきゃやってけないもの、この世の中。
老人の跋扈(ばっこ)が、いちばん世の中を悪くすると思います。
病を悪、健康を善とするだけなら、こんなつまらない人生はないわよ。
死に向けて行う作業は、おわびですね。謝るのはお金がかからないから、ケチな私にピッタリなのよ。謝っちゃったら、すっきりするしね。
“言わなくていいこと”は、ないと思う。やっぱり言ったほうがいいのよ。
こちら希林館です。留守電とFAXだけです。なお過去の映像等の二次使用はどうぞ
使ってください。出演オファーはFAXでお願いします。
このように服を着た樹木希林は死ねばそれで終わりですが、またいろいろなきっかけや縁があれば、次は山田太郎という人間として現れるかもしれない。
えっ、わたしの話で救われる人がいる?それは依存症というものよ。出典:PRTIMES
サヨナラ、地球さん。
■サヨナラ、地球さん。(全文)
靴下でもシャツでも、最後は掃除道具として、最後まで使い切る。人間も、十分生きて自分を使い切ったと思えることが、人間冥利に尽きるんじゃないかしら。そういう意味で、がんになって死ぬのがいちばん幸せなのよ。
用意ができる。片付けして、その準備ができるのは最高だと思うの。
ひょっとしたら、この人は来年はいないかもしれないと思ったら、その人との時間は大事でしょう?そうやって考えると、がんは面白いのよ。
いまの世の中って、ひとつ問題が起きると、みんなで徹底的にやっつけるじゃない。だから怖いの。自分が当事者になることなんて、だれも考えていないんでしょうね。
日本には「水に流す」という言葉があるけど、桜の花は「水に流す」といったことを表しているなと思うの。
何もなかったように散って、また春が来ると咲き誇る。桜が毎年咲き誇るうちに、「水に流す」という考えかたを、もう一度日本人は見直すべきなんじゃないかしら。
それでは、みなさん、わたしは水に流されていなくなります。今まで、好きにさせてくれてありがとう。樹木希林、おしまい。出典:PRTIMES
ネットの反応
ネットでも多くの人から反響がありました
あとはじぶんで考えてよ。
これほどこの言葉が純粋に刺さるとは。
ひょうひょうした人間の言葉は全く持ってあてにならないが、それでも感銘を受けてしまうのは樹木希林という人の存在が言葉すら圧倒してしまうからなのか— lli value (@liveKiruha) 2018年10月29日
宝島社が出した樹木希林さん一家の家族写真と「あとはじぶんで考えてよ」の広告、非常に良い。ひとつひとつの言葉が、実に良い。
— Natty (@redsnake1129) 2018年10月29日
昨年、癌になって腹がすわった。
幸い早いステージだったから手術、治療で済んだ。
検査の日はいつも「再発」という言葉がお医者さんの口から溢れてくるのが怖いけど、それもまた人生と面白がってみる覚悟もあるかな。この希林さんに勇気づけられる。https://t.co/KArFr7Qv1y
— Hikaru Hie (@hikaruhie) 2018年10月29日
「絆というものを、あまり信用しないの。期待しすぎると、お互い苦しくなっちゃうから。
だいたい他人様から良く思われても、他人様はなんにもしてくれないし(笑)
迷ったら、自分にとって楽なほうに、道を変えればいいんじゃないかしら…」素敵な考え方だなあーと。https://t.co/ZtNskU3X2Q
— 山本ゆり(syunkon) (@syunkon0507) 2018年10月29日