ロシアのSWIFTからの排除が世界経済にどんな影響を与えるか説明した投稿に反響!
ロシアがSWIFTから排除される事が決定的になっていますが、これが世界経済にどんな影響を与えるのでしょうか。今日は過去にSWIFTから排除されたイランがどうなったか、更にマレーシアの港湾の闇社会がこの件にどう関与してきたかを含めながら、私の予測を書きます。長文ですがお付き合い下さい(1/13)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) February 28, 2022
ニュースでは「SWIFT排除はロシア経済に致命的な影響を与える」と唱える識者も見受けられます。しかし私は大きな損害を与えはするものの、致命的な影響までは至らないと予測しています。その1つの根拠がSWIFTから排除された後のイランの動向です(2/13)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) February 28, 2022
とはいえ近年は中国も経済制裁を受けているイランから正規に原油を輸入する訳にもいかなかったので、第三国を経由して密輸する形を取ってきました。この際に用いられて来たのがマレーシアの港湾の会社です。まずイランから運ばれた原油は、マレーシアの港湾でマレーシア産の原油と混ぜられます(4/13)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) February 28, 2022
その後その混ぜられた原油はマレーシアから中国へと輸出されます。その際に原産国は「マレーシア産」と書き換えられます。現に中国における原油輸入は近年マレーシア産が急伸していました。信じられないかもしれませんが、これは私達マレーシアの港湾事業者の間では内密かつ良く知られた事実です(5/13)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) February 28, 2022
実際この様な形で日量50万バレル以上の原油が、イランからマレーシアを経由し中国へ密輸されてきたと考えられており、これがイラン経済を下支えしてきました。しかしこの密輸も最近役割を終えたと考えられています。2022年1月、中国はイラン産の原油の輸入を再開した事を正式に発表したからです(6/13)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) February 28, 2022
これは重要な局面です。これまでイランはSWIFTを用いた資金移動が不可能でした。またイランとの取引先も制裁対象だったのでマレーシアを経由していました。しかしもはや中国側は制裁を気にしなくなったのです。言い換えれば、SWIFT以外の中国の決済手段が既に稼働している事の証左でもあります(7/13)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) February 28, 2022
さて話をロシアに戻します。ロシアがSWIFTから締め出された場合、最も大きな影響を受ける産業の1つは天然ガスです。天然ガスの輸出(特に欧州向け)はロシアの基幹産業ですから、これが輸出できなくなればロシア経済は小さくない打撃を受けるでしょう(8/13)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) February 28, 2022
しかし一方でSWIFTが禁止されても、天然ガスの輸出入自体には禁輸措置が課されない可能性もあります。この場合、各国は中国の決済システムを通じて購入する事も考えられます。また仮に各国が輸入を見送っても、中国がそれを買い支えるでしょう。現にイランの原油制裁の際に中国はそうしました(9/13)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) February 28, 2022
一方の欧州も天然ガスの輸入の4割をロシアに依存しているので、小さくない打撃を受けます。更にもし中国の決済システムが天然ガスの取引に継続的に用いられる様になると、長期的には米ドルを用いたSWIFTの権威が弱まる危険性もあるため、米国としてもこれを長引かせたくはないはずです(10/13)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) February 28, 2022
つまりロシアのSWIFTからの排除は、ロシア/欧州/米国ともに悪影響を与え、ボディーブローの様に効いてきます。一方で漁夫の利を得る可能性があるのは中国です。本来中国にも経済制裁をしないと効果が無いのですが、それは不可能です。欧州も米国も中国への貿易依存度が余りにも高すぎるからです(11/13)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) February 28, 2022
結論です。今回のSWIFTからの排除はロシアにとって想定内です。これはロシア経済に大きな損害を与えますが、致命傷には至りません。中国が決済システムを用意し、天然ガスを買い支えるからです。ここから先は欧州とロシアの消耗戦になり、日本を含め世界全体でインフレが更に加速するでしょう(12/13)
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) February 28, 2022