相模原中央病院のコロナウィルス肺炎症例報告「序文が涙なしには読めない。」
相模原中央病院の脳神経外科のドクターによるコロナウィルス肺炎症例報告が涙なしには読めないと話題になっています。
相模原中央病院のコロナウィルス肺炎症例報告。報告者が脳神経外科のドクターであることもそうだし、もう序文が涙なしには読めない。https://t.co/FinaoOQv1J
— medtoolz (@medtoolz) 2020年3月13日
■序文
当院は、新型コロナ肺炎(以後COVID-19)によって命を奪われた日本で最初の患者さんが、発病当初に入院(当初はCOVID-19としての疑念はなく、病状悪化とともに呼吸器科専門病院に転院)していた病院として実名で報道された。
当時は市中で新型コロナ肺炎が発症し始めた頃であり、疾患そのものの病態(潜伏期間、伝染力、伝播様式、ウイルス排出期間など)が分からず、かつ治療方法さえも不明であった事から人々から恐れられ、様々な憶測に基づく風評被害にさらされた。多くの報道で当院の空撮写真とともに「相模原中央病院」の名前を賑わせたことは記憶に新しいと思う。
報道発表の直後には、先の患者さんの入院中の対応に当たった看護師が新型コロナ肺炎を発症し、さらには当該病棟の入院患者3人に院内発症し、感染伝播させてしまう事態に至った。
その後は、当院職員であることだけで世間からは接触を拒まれたり、さらには他病院からは非常勤医師の派遣も断られた。
病院機能としては、当該病棟の新規受け入れ中止のみならず、発症者のいない他の二病棟も閉鎖、さらに外来の全面停止など、通常の感染対策では考えられない状況にまで追い込まれた。
まさに病院としての機能を喪失する事態になり、医療経済的にもその損失は莫大なものがある。
当院は160床の地域に密着した一般病院であり、外科系(外科、整形外科、脳神経外科)が主体の二病棟と、高齢者の受け入れに積極的に取りくむ地域包括ケア病棟の一病棟を有した病院である。
この病院の規模では常勤の感染症専門医、呼吸器科専門医はいない。
こうした中でCOVID-19の発生を招く事態となった。
発症された患者3人のうち、2症例は気管内挿管し人工呼吸器管理となる重症化をきたし、本来であればICUでの全身管理が必要となった。
残る1人はCT画像的には軽微な肺炎像が確認されたが、ごく軽症で呼吸状態の悪化もなく自然軽快した症例である。
重症化した2症例は、発症当初の2月下旬の時点では、感染症専門病院へ再三の患者転院を依頼したのにもかかわらず、どの大規模専門病院ですら「現時点での対応が困難」、との理由で転院できない状況であった。
呼吸状態が不良となった重症型の新型コロナ肺炎における致死率は高いとされるが、こうして当院では非常勤呼吸器内科医師のアドバイス以外は、非専門医で治療することを余儀なくされたのである。
引用:kansensho.or.jp
マスク入荷してきているようです!
ネットの反応
画像写真を載せられていたりと、
病状の詳細が記載されていました。
公表してくださった先生は守秘義務というものがある中、
そうとう勇気が必要だったと思います。報道では様々な意見がありますが、現場の声が一番です。
お忙しい中、本当にありがとうございます。— totoro (@ohanasan10) 2020年3月14日
この二症例ともシベレスタット(エラスポール)使っているんですね。
そして、肝硬変・食道静脈瘤、胃癌術後という基礎疾患を抱える重症肺炎の患者さんを感染症専門医がいない病院がキチンと救命しているところが、日本の医療の水準-これは医療従事者の献身的な働きによるものです!-を示しています!— 雑記帳@Genetics&Trading (@GeneticsTrading) 2020年3月13日
この報告書がたくさんのかたに読んでもらえますように。
近所に住んでいて、時々お世話になっていました。
同じ市内でも差別的な発言をする人もいます。報道されてすぐに、報道の車がうろついたりしました。
病院スタッフの手探りの治療が、文字からも感じられます。
そして、最後の文に涙が。— みち (@michi_peni) 2020年3月13日
貴重な報告書ですね。
院内感染の危険に晒されながら、手探りの必死な治療経過が、医療関係者以外にもわかりやすく書かれていると思います。国も専門家チームも、現場に丸投げだったのか…もっと踏み込んだ支援が絶対的に必要かと。
孤独な闘いの辛さが滲み出ているレポートだと感じました。— T-bone (@Tbone62087622) 2020年3月13日
この報告書を読むと読まないとではこの感染症に対する意識も現場で奮闘する病院関係者への崇高の念も全く異なると感じました。報道がすべき事はこう言った報告書を取り上げて広く理解を深める事であって、スキャンダルを作り上げ不安を煽る事では無いと思いました。
— Coco (@7sophistication) 2020年3月13日
『当院職員であることだけで世間からは接触を拒まれたり、さらには他病院からは非常勤医師の派遣も断られた。病院機能としては、当該病棟の新規受け入れ中止のみならず、発症者のいない他の二病棟も閉鎖、さらに外来の全面停止など、通常の感染対策では考えられない状況にまで追い込まれた。』
— ほおずき (@sacomeon) 2020年3月13日
外科主体の病院でここまでご尽力された皆さん、本当に素晴らしい…😢謝辞では、看護師やコメディカルにも敬意を表されており、全職員に配慮できる良い病院だと思いました✨
— ruka👶30w (@iiiikikoiiii) 2020年3月13日
支援も満足に受けられない中で未知の病に立ち向かった姿、令和の野口英世と思います。
先週に「COVID-19の重症肺炎にシベレスタット(好中球エラスターゼ阻害剤)が有効ではないか?」と考えて文献調査しましたが見当たらなかったので、前例のない中で投与に踏み切ったのは本当に慧眼だと思います。
— CAN (@canchemistry) 2020年3月13日
病棟の方々はもちろん、病院全体として想像を絶する困難だったと思います。そんな中、救命し、人工呼吸器から離脱した上でそれを論文にしているって素晴らしすぎます。でも、伝えずにはいられなかったんだろうとも思います。
— apoko1201 (@apoko1201) 2020年3月13日